情報デザイン研究部

情報デザイン研究部主任 山本 直樹

1. はじめに

情報デザイン研究部では、「情報をデザインする」「情報でデザインする」「情報はデザインする」を考え、研究活動を実践しています。ますます身近になるIT社会に貢献できるように、情報ネットワークでのセキュリティ化技術、CGなどのビジュアル技術、非線形システムの数理情報、数値計算のアルゴリズムの開発・改良やそれを応用した統計データ分析などについて取り組んでいます。

2. 活動内容

研究部メンバーの研究テーマ

各メンバーは学会活動などを通じて、下記のような研究を行なっています。

  • 「多次元主成分分析の計算と応用に関する研究」、「3階テンソル積展開の計算法の改良に関する研究」、「非負値行列因子分解による医療データの分析」(村上・山本・大隈)
  • 「マルチステレオマッチングを用いたモーションキャプチャの開発に関する研究」、「フラクタルモデルの解析と可視化の研究」、「画像処理における並行処理アルゴリズムとGPU化の開発に関する研究」(孫)
  • 「一機無限大母線系統の非線形オブザーバの構成に関する研究」(小松)
  • 「遺伝的アルゴリズムを用いた拡大次元自動抽出制御則設計に関する研究」(縄田)
  • 「群上での方程式の解に関する研究」(石原)
  • 「波形接続型音声合成の単位選択アルゴリズムの高速化」(藤井)
  • 「不正な解析を防止するためのソフトウェア保護方法」(神崎)
  • 「並列プロセッサにおける高性能実装に関する研究」(中野)

など。

「くまもと産業ビジネスフェア2013」出展の様子

第7回 情報デザイン研究会の開催

平成24年9月5日(水)、熊本高等専門学校 熊本キャンパスにおいて、第7回情報デザイン研究会を地域イノベーションセンター情報デザイン研究部主催、熊本高専地域振興会後援、人間情報システム工学科の協力により開催しました。本研究会は2部構成で、第1部では研究発表が行われ、信号処理、多次元データ分析の最近のトレンドである非負値行列因子分解(NMF)に関する次の3件の報告がなされました。

  • 発表1:「状態および観測ベクトルの拡大次元線形化を用いた非線形フィルターのー設計法について」(小松一男(熊本高専)、高田等(鹿児島大学名誉教授))
  • 発表2: 「べき乗法を用いた行列の非負分解とNMFの比較」(大隈千春、村上純、山本直樹(熊本高専))
  • 発表3:「多次元データの非負分解による医療データ分析」(山本直樹、村上純、大隈千春(熊本高専)、齊藤智子、和泉孝、林田望(熊本リハビリテーション病院))

第2部では、招待講演として神戸大学大学院 人間発達環境学研究科 人間表現専攻准教授の田畑 暁夫(たばた あけお)氏により「監視社会論再考」と題してご講演して頂きました。田畑先生は、多くの書籍を出版されておられ、「膨張する監視社会」、「ネット検索革命」などご専門の関連分野のものや、最近では、ノンフィクション作品の翻訳など幅広く活躍されておられる方です。本講演では、監視社会論がどのような起源を持ち、どのように展開し、どのような課題があるのか、情報社会論や管理社会論との関係についても織り交ぜながら、先生の書籍「膨張する監視社会」を中心に解説がなされました。本研究会は今回で7回目の開催となり、文科系の先生をお招きした講演はこれが初めてでしたが、講演最後の質疑応答はとても活発となり、講演の予定時刻をかなり過ぎるほど有意義なものとなりました。本研究会の参加者は、教職員、学生、一般社会人などから28名でした。招待講演を通して、我々研究者にとっても監視社会論と関連するところがあることが分かり、より研究に対する視野を広げる手助けになったのではないかと考えています。

研究発表の様子
招待講演 田畑先生ご発表の様子

3. おわりに

本研究部ではIT社会に貢献できるよう学会活動を通じて研究を行っております。今年度は、研究論文発表3件、国際学会発表6件、国内学会発表11件の成果がありました。また、昨年に引き続き、第7回目となる情報デザイン研究会を実施しました。次回も、皆様の研究のお役に立てる話題が提供できるよう努力したいと思いますのでよろしくお願いします。

4. 業績一覧 (2012年)

以下は、2012年の研究業績の一部(研究論文発表・国際学会発表)を掲載しております。

  1. K. Komatsu and H. Takata, Formal Linearization by Chebyshev Interpolation for Both State and Measurement Equations of Nonlinear Scalar-Measurement Systems and Its Application to Nonlinear Filter, Journal of Signal Processing. Vol. 16, No. 6, pp.557-562, 2012.
  2. H. Takata, T. Hachino, Y. Hino, K. Yunokuchi, H. Miyajima and K. Komatsu, Augmented Automatic Choosing Control of Modified Filter Type for Nonlinear Noisy Measurement Systems, Journal of Signal Processing. Vol. 16, No. 6, pp.563-569, 2012.
  3. Naoki Yamamoto, Jun Murakami, Chiharu Okuma, Yutaro Shigeto, Satoko Saito, Takashi Izumi, and Nozomi Hayashida, Application of Multi-Dimensional Principal Component Analysis to Medical Data, International Journal of Engineering and Physical Sciences, Vol.6, pp.260-266, 2012.
  4. K. Komatsu and H. Takata, On a Nonlinear Filter via Formal Linearization based on Chebyshev Interpolation, Proceedings of 2012 International Workshop on Nonlinear Circuits, Communications and Signal Processing(NCSP’12), pp.752-755, March, 2012. (Honolulu, Hawaii)
  5. H. Takata, T. Hachino, Y. Hino, K. Yunokuchi, H. Miyajima and K. Komatsu, Design of an Augmented Automatic Choosing Control of Modified Filter Type and its Application to Power Systems, Proceedings of 2012 International Workshop on Nonlinear Circuits, Communications and Signal Processing(NCSP’12), pp.25-28, March, 2012. (Honolulu, Hawaii)
  6. K. Komatsu and H. Takata, Design of Nonlinear Observer by Augmented Linear System based on Formal Linearization using Fourier Expansion, Proceedings of the Sixth Global Conference on Power Control and Optimization(PCO2012), pp.203-207, August, 2012. (Las Vegas, USA)
  7. Hideshi Sakaguchi, Yuichiro Kanzaki, Akito Monden, Program Encryption Based on the Execution Time, Proc. International Symposium on Technology for Sustainability (ISTS2012), pp. 188-191, November 2012. (Bangkok, Thailand)
  8. Ningping Sun, Yuki Urasaki, Naoki Yoshida, Ocblock: A Fractal Structure for 3D Modeling and Rendering, The Second International Symposium on Technology for Sustainability (ISTS2012), Nov. 2012. (Bangkok, Thailand)
  9. Ningping Sun, Soichiro Murakami, 3D Model Construction Using Multi-Stereo Matching with General Digital Cameras, The Second International Symposium on Technology for Sustainability (ISTS2012), Nov. 2012. (Bangkok, Thailand)